ISO9001 内部監査のポイント
ISO9001品質マネジメントシステムの内部監査の目的はISO9001規格要求事項の適合性だけではありません。
品質マネジメントシステムが目的どおり役に立ち機能しているのか(有効性)ということを監査すると監査の方法も変わってきますので、まずは監査の目的を考えてみるところから始めてみるとよいと思います。
- 顧客満足を高まっているのか
- 顧客要求に応えられているのか
- 品質向上として何に取り組むのか
- プロセス管理により成果を得ているのか
- データ分析が活用され改善が進んでいるのか
- クレームや不適合は減少しているのか
ISO9001内部監査の着眼点
ISO9001 全体のシステムを把握する
木を見て森を見ず」にならないように、先ずはISO9001品質マネジメントシステムの全体像を把握しましょう。
始めから「木」を見ると「重箱の隅を突く」監査になったり、本質とは関係のない監査になったりします。
下記はISO9001:2015規格要求事項の概念図です。
下記は製造業での「品質保証体系図」です。その他「QMS体系図」「プロセス関連表」など社内にあるプロセスの関連をまとめた文書で自社の品質マネジメントシステム全体像を把握しましょう。
プロセス監査を考えてみる
ISO9001規格要求事項はプロセス・アプローチを要求しておりプロセス監査を用いると監査がやりやすくなるかもしれません。
一般的なプロセス・マネジメントという管理手法では次のような管理を実施します。それぞれISO9001規格に当てはまるので、下記図表に自社の情報を当てはめてみるとプロセスに対する理解も深まり監査もしやすくなると思います。
- プロセス:”インプット”を付加価値を付けて”アウトプット”に変換する活動。(ISO9001:4.4/8.1)
- インプット:情報や原料、材料、仕掛品(ISO9001:4.4/8.4)
- アウトプット:成果物、仕掛品、製品、データ、記録(ISO9001:4.4/8.1)
- コントロール:手順や方法でありプロセスをコントロール(管理する)もの(ISO9001:7.5/8.5.1)
- ヒト:プロセスの責任者であったり、プロセスの実施者(ISO9001:4.4/5.3/7.2)
- モノ:プロセスで使用するインフラ機器(ISO9001:4.4/7.1)
- 評価指標:プロセスが定常状態である指標等(ISO9001:9.1)
プロセス監査を考えてみる ②
上記のプロセス監査の考え方とプロセスの繋がりを考えたうえで、PDCAと4W1Hの切り口で何を確認しなければならないのかシステムの観点で考えてみる。
契約プロセスの繋がりで考えると下記のようなことを確認しなくてはならないです。
私は常に頭の中で下図のようなものを描いています。審査員なども同様ではないでしょうか。皆さんは慣れるまでは書き出してみるとよいと思います。
製造部などの下流工程に行くとインプットが色々な所から来てプロセス間の繋がりが増えてきます。
ISO9001内部監査チェックリスト
チェックリストの作成は必須ではありません。上記の図表は筆者が作成している「ISO9001:2015内部監査員養成研修テキスト」からの抜粋ですが、このテキストをチェックリスト代わりに使用して頂いている企業さんもあります。
チェックリストについて詳しくは下記をご参照ください。