ISO14001内部監査の目的を考える
環境マネジメントシステムが目的どおり役に立ち機能しているのか(有効性)ということを監査すると監査の方法も変わってきますので、まずは監査の目的を考えてみるところから始めてみるとよいと思います。
- 環境保全の為に新しい取り組みができないか
- 地球環境汚染の予防のために新たに取り組めることはないか
- 環境リスクを回避、低減するために何に取り組めるか
- 環境分野で機会を逃さないために出来ることはないか
- 順守評価により法令その他要求事項
- 外部コミュニケーションを開示または受け取ることにより改善できることはあるか
- 従業員及び協力者が自覚をもって取り組みがおこなわれているか
ISO14001内部監査の着眼点
全体のシステムを把握する
「木を見て森を見ず」にならないように、先ずはISO14001環境マネジメントシステムの全体像を把握しましょう。
始めから「木」を見ると「重箱の隅を突く」監査になったり、本質とは関係のない監査になったりします。
下記はISO14001:2015規格要求事項の概念図です。まずは俯瞰してみましょう。
追加・変更の環境側面が特定できているか
自社の製品・活動・サービスにおける環境側面(環境に影響を与える製品・活動・サービス)を明確にしておかないと、順守義務(環境法令等)やリスク及び機会も定義できないため環境側面の特定は重要です。様々な観点から環境側面が特定できているか確認しましょう。
PDCAで考えてみる
環境マネジメントシステムはPDCAで構築される為、すべてはPDCAの観点から監査を実施することが出来ます。
「著しい環境側面」は「環境目標」として設定されていることが多いため著しい環境側面のPDCAを確認する事により「環境目標」をPDCAを同時に確認する事も多々あります。
順守義務は環境法令や顧客要求などです。最新の法令等が特定されているか、法令が守られているか、法令によっては作業に公的資格が必要なものもあるので、それも確認しましょう。
著しい環境側面、順守義務、リスク及び機会の取組みでは取組みのための計画策定が要求されており、計画通りの運用をおこなわなければなりません。請負者への要求をおこなっているか、運用のための資源は揃っているか、運用に必要な力量が身についているか等を確認しなくてはなりません。
緊急事態への準備及び対応においては対応手順のテストをおこない記録があるかを確認しましょう。
不適合についても確認しましょう。
ISO14001 内部監査チェックリスト
チェックリストの作成は必須ではありません。上記の図表は筆者が作成している「ISO14001:2015内部監査員養成研修テキスト」からの抜粋ですが、このテキストをチェックリスト代わりに使用して頂いている企業さんもあります。
チェックリストについて詳しくは下記をご参照ください。
ISO内部監査チェックリスト
チェックリストを使わない監査